再来週の月曜日、3月2日が私たち夫婦の11年の結婚記念日になります。ホワイトデーのお返しと、記念日のプレゼントをパソコン購入にするため、特別何もする予定はありません。ただ、サンマルクというレストランでランチを家族4人で食べに行きます。どうしてココを選んだか。とっても思い入れがあるからです。
実はというと、長男、知的障害を持っています。「多動傾向があり、1年程度の知能の遅れが見られる」。これが3歳のときの長男の診断結果でした。
正直、何の障害もないと思ってました。他の子よりも多少落ち着きがないかなとは思ってましたけど。
ある日、保育園の園長先生に呼び出されたのです。何故呼び出されたか見当もつかず、緊張しながら保育園に行きました。そして誰も居ない保育園で、園長先生に「長男くんはおかしい。言動がおかしい。保育士も大変困っている。もしそういう診断をされるのなら、長男くんだけにもう1人保育士を付けさせて欲しい」と告げられたのです。頭を思いっきり殴られたような・・・。普通の子だと思ってたのに。うちの子だけ他の子と違うの?・・・あの時の衝撃はきっと死ぬまで忘れないだろうと思います。
旦那と相談し、いざとなれば脳波もすべて取ってもらう覚悟で、大きな総合病院に行きました。そこで、部屋を変え、先生を変えながら長男を診断していきます。そして出た結果が、最初に書いた「多動傾向があり、1年程度の知能遅れ」でした。そして、先生からは「長男くんのために保育士を1人つける必要はない。そこまで酷い状態ではない」というお墨付き(?)をいただきました。
他の子よりも理解するのが遅いことを親も理解すること、ダメなことをしたときは同じ状況を作り、分かるまで何度も繰り返すこと。そして旅行などに連れて行っていろいろな刺激を受けさせること。いろいろ教えてもらった後、一番最後に先生が言ったことがすごく残ってます。
「2歳児と3歳児、6歳児と7歳児の1年の違いは大きいかもしれません。でも、21歳と22歳、25歳と26歳の違いはそんなに大きくないでしょ?大きくなったときに1年の遅れでいられるかどうかは、お母さんやご家族の頑張り次第ですよ」
たった1年。されど1年。覚悟はしていたものの、やっぱりショックで・・・。失意のまま、お昼ご飯にサンマルクに入りました。入ってからはたと気がつきました。それなりにコース料理で出てくる店で、長男は大丈夫だろうか。ちゃんと大人しく食べてくれるだろうか。行儀よく座っていられるだろうか。なんせあんな診断を受けた直後、かなり不安でした。座ってられなくなったら、長男つれて店を出よう、旦那には悪いけど、1人で食べてもらおう。
ところが、そんな私の不安を長男はあっさりと吹き飛ばしてくれました。席に座ってから料理が長男の前に来るまで大人しく座り(おしゃべりやトイレなどは別にして)、料理が来てからもちゃんと食事をしてくれました。私も全く怒ることなく、楽しい食事・楽しい昼食が取れました。この時、私の胸にあった不安は、長男の将来を憂う気持ちとともに飛んでいってくれました。この子は大丈夫だと、私もこれから頑張っていこうという前向きな気持ちになれたのです。
だから・・・。今年の結婚記念日はサンマルクで小さくお祝いです。私の中で、大きな一歩を踏み出せた思い出のお店だから。あの時は次男を連れて行くことは出来なかったけど、今年は4人で。楽しく食事を楽しんできます。
ちなみに、園長先生には「保育士をつける必要はない」ことを伝え、無事にそのまま保育園を卒園することができました。そして、この4月で5年生。高学年に突入です。
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