前回の続きです。切迫流産で入院した時、お医者さんの話をきちんと聞いていなかったので、突然手術という話に動転してしまいました。
長男を出産した時、取り上げてくれた助産婦さんが手術前の準備に来てくれました。結局、それまで何度か看護婦さんに聞く機会があったのですが聞くタイミングを外し続け、まだ手術する理由を知らずにいたのです。
「じゃあ、明日手術ですからね。心配そうな顔してるけど大丈夫よ。」
と準備を終えて声をかけてくれたので、今がチャンスと聞いてみました。
「手術って、どんな手術ですか?どうして私手術受けなくちゃいけないんでしょう?」
えっ?という顔をする助産婦さんに、必死に理由を話しました。入院する時、流産という言葉に動転してしまってお医者さんの話をきちんと聞けなかったこと、血が止まったら退院できると思っていたこと、その後何の説明もないまま今日になってしまったこと。
「そうだったの。ちゃんと説明してなくてごめんね。」
助産婦さんが悪いわけではないのに、謝ってくれて、それを聞いた私はようやく聞ける安心感からかボロボロ泣いてしまって・・・。泣き止むのを待って、助産婦さんが教えてくれました。
前置胎盤で赤ちゃんの出口に胎盤がかかっていること、そしてその赤ちゃんの出口が開きかかっていること。今回の手術は出口を糸で縛って出産時期まで開かないようにするということ。手術は麻酔を使うけど、中の赤ちゃんも一緒に眠ってしまうので大丈夫なこと、妊婦さんにも安全な麻酔を使うこと。助産婦さんは私のそばに座って静かな声でゆっくり説明してくれたので、私も十分理解して安心することが出来ました。
「私も手術にはちゃんと付き添ってあげるから。安心していいよ」
とまで言ってくれて、私は宜しくお願いしますと頭を下げました。
いよいよ手術。盲腸の手術すら受けたことの無い私は、ベットに仰向けになり、ドラマで見るような照明を見上げて緊張してくるのがわかりました。約束どおり助産婦さんが横にいて、手を握ってくれていました。
「じゃあ、麻酔をします。看護婦さんの後について数を数えてください。」
看護婦さんが1と言ったら、後に続いて1と言い、看護婦さんが2、私が2、看護婦さんが3、私が3・・・・とずっと数えていって、8まで数えたのは覚えています。でも助産婦さんが言うには17まで私は数えていたそうです。気が付くと病室で、隣には旦那がいました。
「お腹の赤ちゃんも大丈夫だって。今度こそもうすぐ退院できるよ」
と旦那に教えてもらって、すごく安心して涙が出てきたのを覚えています。
張り止めの点滴から薬に変わり、病室内の歩行から食堂などへ歩いていけるようになり、病室での1人きりの食事から子供を産んだばかりのお母さんたちと食べれるようになって、食事の時間が楽しくなりました。お母さんばかりではなく、妊娠悪阻で入院している人、何故入院しているのかは聞けなかったけど、何らかの理由で入院している人、いろいろなお母さんがいました。でも、どのお母さんも笑顔が見えて、お互い頑張っていきましょうねと励ましあっていました。
今はすごい悪がきになって、ことごとく私のいうことに反発し、反抗し、「お母さん意地悪や!」という次男ですが、素直な時は素直ないい子です(親ばか?)。あの時夢に出てきた青年のように細くて釣り目な次男。あの夢はきっと毎日血が止まらないと心配していた私にお腹の中から送ってくれたメッセージだと思っています。あの時みたいに、もう少しやさしくなってくれたらなぁと思いますが、それは贅沢な悩みなんでしょうか。
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